Conversational Actions 2020 Recapの日本語訳です

今年は新型コロナウイルスの流行のために、開発者イベントなどが軒並みキャンセルされ、またオンラインイベントでの発信となり、情報を得るための難易度が昨年までよりも少し上がってしまった印象があります。しかし、物理的な移動をせずとも多くの一次情報に触れる機会が増えたことも今年の特徴であり、注意深くウォッチし続けてさえいれば、今年も着実に様々な技術に進化が見られたことがわかるはずです。

Googleアシスタントに関しても、特にアクションの開発環境に関して大きなリリースがありました。また、Interactive CanvasやAssistant Linksなどについても、着実に進化を遂げています。

以下は、Googleアシスタントを担当するDevRelの一員である Jessica の許可を得て、Conversational Actions 2020 Recap を日本語訳したものです。会話型アクションに関する2020年のトピックがよくまとめられていますので、ぜひ目を通していただければと思います。


会話型アクションは、Googleアシスタントのユーザー向けにカスタムエクスペリエンスまたは会話を作成できるようにすることで、Googleアシスタントの機能を拡張します。年間を通じて、いくつかのツールとリソースをローンチしました。会話型アクションの領域にて、主要なトピック別に整理されたすべてが、以下の一覧になります。

  • Actions Builder & Actions SDK
  • Interactive Canvas
  • Discovery

Build with Actions Builder & Actions SDK

ActionsBuilderとActionsSDK は6月にリリースされ、ゲームなどのスマートディスプレイ向けのアシスタントでの会話型アクションの設計と構築が容易になりました。 Actions Builder は、Actionsコンソールで開発、テスト、およびデプロイするための強力で使いやすいWebベースのIDEを提供します。グラフィカルインターフェイスを使用して、会話の流れを視覚化し、自然言語理解(NLU)トレーニングデータを管理し、高度なツールを使用してデバッグできます。

更新された ActionsSDK は、Actionsプロジェクトのファイルベースの表現を提供します。更新されたコマンドラインインターフェイス(CLI)を使用して、会話を構築し、トレーニングデータの一括インポートおよびエクスポートを行うことができます。

ActionsBuilderとActionsSDK は同じテクノロジーに基づいて構築されているため、お好みのツールを使用してアクションを開発できます。そして、チームが同じプロジェクトで共同作業できるようにします。

ローンチ後の改善

アクション開発の管理を改善するために、バージョン管理、テスト、分析を使用してActionsBuilderとActionsSDKの改善を続けてきました。 現在では、Actions SDKで バージョンを一覧表示 し、ダウンロードする バージョンを指定 できるようになりました。これにより、Actionsプロジェクトをローカルファイルシステム上に構成できます。 VC Codeを使用して開発している場合は、 VS Code extension for Actions SDK で、すべてのActions SDK YAMLファイルのオートコンプリートやエラーチェックなどの機能を確認してみてください。 Actions SDKは、現在では Node.js Testing Library を使用したテストをサポートするようになったため、自動テストを構築して、アクションが期待どおりに応答していることを確認できます。アクションのアルファ版、ベータ版、または製品版を公開すると、Actionsコンソールで、リリースの種類ごとの 分析 を確認できるようになります。これは、本番環境に移行する前にアルファアクションとベータアクションを評価するのに理想的です。

スマートディスプレイの普及に伴い、それらは通常共有エリアに配置されているため、家庭内のすべての人に役立つサポートが Home storage に追加されました。Home storage を使用すると、開発者は(ホームグラフに基づく)同じ世帯内の複数のセッションにわたって値を保存できます。この機能は、家庭でのゲームに最適です。

Actions Builder & Actions SDKへのマイグレート

Dialogflowを使用してアクションをビルドしている場合は、Actionsコンソール内でプロジェクトをActions Builderに移行できます。 Dialogflow to Actions Builder migration tool は、DialgoflowエージェントをActionsBuilderプロジェクトに移行する処理を行います。その後、 Fulfillment Migration ガイドを使用してフルフィルメントコードを更新できます。概要については、 Migration from Dialogflow to Actions Builder video をご覧ください。

Actions BuilderやActions SDKのコードサンプル、コードラボ、動画の一覧が以下となります。

Actions Builder & Actions SDKコードラボ

Actions Builder & Actions SDK動画

Interactive Canvas

ActionsBuilderとActionsSDKのリリースに伴い、 Interactive Canvas APIが更新され、改善されました。 Actionsプロジェクト、フルフィルメント、Interactive Canvas Webアプリ間でデータを送信する方法はいくつかあります。 setCanvasState ()を使用して、Interactive Canvas Webアプリからフルフィルメントにデータを送信できます。また、フルフィルメントの実装を行わなくても、Interactive Canvas Webアプリに Actionsプロジェクトからデータを送信 できます。 Canvas 応答へのURLの追加の繰り返しを最小限に抑えるために、Actionsコンソールで デフォルトのWebアプリのURLを追加 できるようになりました。

Action Builder & ActionsSDKのリリース以降の改善

Interactive Canvasアクションのデバッグは、ソフトウェアバージョン30以降のGoogle HomeまたはGoogleNestスマートディスプレイ向けに ChromeDevToolsを使用 することで簡単になりました。または、シミュレーターで クライアント側のエラーからフィードバックを受け取る ようになりました。

指定した単語のリストを聴きながら、デバイスのマイクを一定時間開いたままにしておくことができる Continuous Match Mode を使用するいくつかのゲームがリリースされています。

Games Portal は9月に公開され、アシスタントで優れたゲームを構築するための豊富なリソースを提供しています。新しいゲームデザインガイド、コードサンプル、ゲームデザイナーや開発者へのインタビュー、ケーススタディなどがあります。

Interactive Canvasに関するコードサンプル、コードラボ、動画の一覧が以下となります。

新しいInteractive Canvasコードサンプル

  • Snowpal Canvas sample は、従来の Hangman ゲームのバリエーションです。ゲームは単語を表すいくつかの空白スペースを表示し、単語に含まれていると思われる文字を推測します。
  • Cookie Detective は、子供たちが10回の推測でCookieの友達を見つけることで、キッチンの探偵になるためのゲームです。ゲームは、NestHubおよびNestHub Maxスマートディスプレイ用のインタラクティブキャンバスを使用して実装されます。
  • Gnome Garden では、声で禅の庭を彫ることができます。このゲームは、NestHubおよびNestHub Maxスマートディスプレイ用に設計されており、インタラクティブキャンバスを使用して実装されています。

新しいInteractive Canvasコードラボ

新しいInteractive Canvasブログ

新しいInteractive Canvas動画

Discovery

10月に、Actions linksは Assistant Links に名前が変更されました。Assistant Links は、アクションの特定の目的に直接リンクするURLです。メールマーケティングマテリアルに最適です。Assistant Links は Rich Assistant Links で拡張されました。これにより、assist.jsを使用して、ウェブサイトからアクションの発見にアクセスできます。

優れた学習リソース

その他のリソース

App ActionsまたはSmart Home Actionsに興味がありますか?以下にリストされているすべての新機能とリソースを備えた独自のブログをチェックしてください。

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