PMの仕事って何?

プロジェクトにはプロジェクトマネージャ(PM)が必ずいる。直訳すると「プロジェクト管理者」,つまり現場監督,実行責任者だ。では一体PMの仕事って何なんだろう?

僕が例えばPMに期待することは,誰が何をやっていて,どこでどんな議論が行われていて,それが全体の工程の入力なのか出力なのかの整理が常についていて,課題などを解決作業を適切なメンバーにふることができて欲しい,ってことだ。その行動は,もれなく顧客の利益(=プロジェクトの問題が常に把握されて解決に導かれている状態)を目指したものであるべきだし,決して開発ベンダー側の社内的な都合で語られてはいけない。

PMが社内的な都合に突っ走った場合,必ずといっていいほど,プロジェクトメンバーの誰かが犠牲になる。健全な作業を阻害し,スケジュールの遅延を引き起こす原因がPMにあるケースを,今まで腐るほど見てきた。結果として,現場からしたらPMは顧客以上の「敵」になってしまう。できるPMは,自ら現状把握と課題の整理整頓に着手するので,プロジェクトで発生する問題の解決がPMの判断の連続でスムーズに進行する。一方,できないPMは,現状把握と課題の整理整頓を「他メンバーに考えさせて結果だけ得る」のみなので,プロジェクトで発生する問題の解決が現場になってしまい,その結果プロジェクト内の情報共有など全く起き得ない状態になる。その結果,プロジェクトはある時点で崩壊する。

確かにお金や人の手当は大事だし,WBSなどのスケジュール予測も大事だ。でも,少なくとも今プロジェクトがどんな状態なのかわかっていれば,見えない未来を空想の元に予測するよりも,顧客が何を求めているかを考えて,その結果をその都度示してあげるべきだ。「3ヵ月後に○○機能の実装に3人あてます」なんて顧客に言ったって,何を解決したといえるのだろうか?

顧客の利益と現場の状況を常に把握し,的確なジャッジを繰り返していくことこそが,PMの仕事ではないだろうか?そのジャッジこそが,顧客と現場に安心感を与えることになるのだから・・・。つまり結論として,ジャッジメントをしてくれないPMなんて,いないほうがいい。それが実行責任者の責任だと思う。

P.S. 「それはPMの仕事じゃねーだろ」的な突っ込み大歓迎。

このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

2023年のRemap

Remapにファームウェアビルド機能を追加しました

Google I/O 2023でのウェブ関連のトピック

2022年を振り返って

現在のRemapと今後のRemapについて