動的言語やrails系に走る理由

Ruby on Railsという言葉は誰しも知っている状況であり,さらにJava言語を推進してきたSunでさえJRubyを担ぎ出す今日。米国ではPythonで書かれた大規模サイトがスピード感を持って次々と登場してきている。昔からちょっとしたWebサイトにPHPやPerlといったスクリプト言語は広く使われてきたが,RubyやPythonによって,スクリプト系言語,つまりLLの印象は多くの開発者にとって大きく変わった。 LLがなぜこんなにももてはやされ,そして採用され始めているのか。大きく2つに分けられると思う。

  • とにかく早く目的のビジネスを立ち上げたいから。

  • LLの言語的特性やrailsの仕組みに興味があるから。 LLに興味を持った大多数の開発者の視点は,後者ではないだろうか。 LLを採用してWeb上でサービスを展開し成功している企業のほとんどに,スピード感を感じる。そして,サービスの内容に質を感じる。もちろんサービスの本質的な性質によって使用する言語や環境は柔軟に考えるべきだろう。しかし,WebアプリケーションというUIについては,多くの場合,(Javaや.NETなどの)重厚かつ厳しい型制限,そして動作するまでに手順が多い環境とは対極の環境で開発したくなるはず。その動機として,さらに2つに分けられるだろう。

  • ビジネスを考える側の人間に厳しい要求を突きつけられたから。

  • 自分がビジネスを能動的に考えた結果,サイトをできるだけ早く立ち上げるための現実解がLLだったから。 現在の大多数の開発者の視点は,前者ではないだろうか。 このエントリ,実は,

脱フリーランス・エンジニアという反発心 - Groovin’ High

エンジニアだからビジネス・センスないって、どうなの?それでいいのか?自分の能力を限界まで尽くしたら、もっとやり方違うと思うけど。

に触発されて書いている。 ぼくは中大規模SIをずっとやってきて,アーキテクトという立場で開発の生産性の向上と品質の確保を第1に考えて仕事をしてきた。しかし,振り返ってみると,アーキテクトという役割を自分が担った時,開発者を見て仕事をしているのが半分,そして半分はお客さんに技術視点でのシステムやサービスの新規提案や改善提案をしていた。これって,業務を理解しそれを実現するだけじゃなく,こんなこともできますよね,こうしたらもっと顧客満足を得られますよ,というビジネス的な話になる(これ,すっごく開発チームの管理的役割の人に反感を買う)。 Javaが得意でLLの経験がない人間はたくさんいると思う。そのようは人の多くは,与えられた作業をいかに遂行するか,品質を確保するか,期限通りに行うか,お客さんからの要求をその範囲で正しく作り込むか,という視点には非常に長けているはずだ。そして,LLを「得体の知れない言語」として興味を持つことだろう(残念ながら僕もまだこの段階 orz)。 しかし,Web+DBなサービスは,作ること,が目的ではなく,より良いサービスに成長すること,が目的。企業が持つ情報なんて,ドラスティックには変化しない。しかし,サービスはいろいろと変化する。そう,サービス提供という視点でシステムを考えれば,スピード感を持って変化する領域は必ず存在し,そこに適した技術は残念ながら現状ではJavaではない(スーパーJavaプログラマは除く)。そして,実際に変化に追随しなければならなくなったとき,それに適した道具を得たくなるはずなのであろう。 LLをどう考えるか,その視点を多くの人は変える必要があるのではないだろうか。 — なんか,自分のことをいろいろと考えるようになり,↑のような「もっともらしいこと」を言える自分と,それを実践できてるのか?経験が浅いくせにこんなことエントリしていいのか?と警告を鳴らす自分が共存してるのに苦しむ。そして,将来のビジョンって,俺って何だっけ?と悶々とする日々。 うーん。。。

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