LINE Developer Day 2017に参加してきました
昨年に引き続き、今年もLINE Developer Dayに参加させていただきました。
レセプションの横には、Waveの他にも、今後発売予定と思われるスマートスピーカーが並んでました。
サリーの、欲しい!!!
Keynoteが始まるのを待っている間、どんな人が来てるんだろう?とキョロキョロしてました。印象的だったのは、席の前方はプレス席だったんだけど、日本人ではないであろう方々(アジア圏のどこかの国から来たって雰囲気)が結構多そうだったこと。僕はテーブル席の一番後ろに陣取ったけど、その後ろの方からは、中国語でもなく、英語でもなく、韓国語でもない、フランス語?な言葉を話している人がいたりもして、不思議な感覚でした。日本のカンファレンスなのに。
個人的に注目してたことは、LINEの動向が最近どうだったのか、と、LINE以外のことをどれだけ盛り込んでくるか、ということ。LINE以外、っていうのは、もちろんClovaです。
Keynote
LINE Developer Dayの最初は、毎年CTOのイビンさんから始まります。
ログを合わせて40PB。途方もない大きさです。最大瞬間風速として秒間42万メッセージ。APIのコール数に至っては、一日あたり800億回。すさまじいです。
国内の開発拠点として、京都が増えるそうです。
「LINEはスマートフォンのポータルになる」っていう構想は、従来通り。
実際の発表時にはこのスライドはさらっと流されていたけど、よく見るとLINEを運営する上で、ちょー大事なことが書かれてます。”Multi Region Disaster Recovery”はグローバルサービスにおいてLINEは各地域にPOPを置いていたりCDN使っていたりするんだけど、ある地域一つ落ちたら全部落ちました、はシャレにならないから超大事。”Smart Abusing Detection”は、スマートが何を指しているかわからないけど、LINEは日々Abusingとの戦い(謎のアカウントから突然メッセージが来るあれ)に対してのものだろうし、”AR Integration”としれっと書かれていたり。”Search Platform With Natural Language Understanding”って書かれているけど、もしかしたら自分の会話を検索する際に、自然言語処理で「あのテーマに関して話していた時の会話ってどこだっけ?」っていう検索の仕方ができるようになるのかもしれない(暗号化された状態で会話データは保持されているから検索ってどうするんのか知らないけど)。とにかく、さらっと流すには惜しいキーワードばかりが並んでます。
実は個人的に今回最も「おぉぉ!」と思ったスライドは、↑でした。
Messaging APIって形式になって個人でもBOTを開発できるようになって数ヶ月経過してるけど、現状13万アカウントは、うーん、ちょっと予想よりも少ない印象でした。
イビンさんの話はLINEのみかなと想像していましたが、Clovaも紹介していました。
Clovaと業務提携などを既に発表しているパートナー企業のロゴ一覧です。これは企業名をそのまま受け止めるのではなく、その業種を想像すべきですね。
- スマートスピーカー - Sony Mobile, LG
- 音楽(歌声) - YAMAHA
- 車 - TOYOTA
- おもちゃ - TAKARA TOMY
- コンビニ - FamilyMart
- キャラクター - Gatebox
やはり、車とコンビ ニが注目すべきところかな、と思います。
今後の予定が発表されました。一つずつ見ていくと・・・
- Dev Center Renewal - これはもうリニューアルされてます。
- OpenID Compatibility - おそらくLINE LoginがOpenID Connectに準拠するようになるんだと思います。
- Add Friend on LINE Login - これは、LINE Loginした後に、ある公式アカウントを友だち追加するための仕組みかな、と思います。
- Rich Menu API - リッチメニューとは、トーク画面の下に普通はメッセージを入力するためのテキストエリアがありますが、これをイメージマップ的なものに置き換えるための機能。既にいくつかの公式アカウントで採用されていますが、これをもっと広く使えるようにします、って意味じゃないかと思います。
- New Template Message - これは、予め登録されたテンプレートを使って、APIからユーザにメッセージ送信ができる機能だと思います。Newってことは、何か機能追加されるんだと思います。
- Social Graph API - LINEゲームなどではソーシャルグラフ(LINEの友だち関係の情報)をAPIで取得できるのですが、これをもっと広く使えるようにしますってことっぽいです。今までなかったのかと不思議に思うくらい。
- QR Code Login - 今のLINE Loginは、メールアドレスとパスワードを入力してユーザ認証をするのですが、QRコードを表示して、LINEアプリでそれを撮影するとユーザ認証完了!って機能かと思われます。
- Two-Factor Login - これは二段階認証だと思いますが、APIとしてこれを言っている意図がちょっとわかりません。
- New Native SDK - Android, iOS向けに出しているSDKが新しくなる、ってことかなと思います。
- Group Chat Plugin - Pluginってことは、うーん、任意のサイトに貼り付けられるウィジェット的なもの?かもしれません。グループチャットがLINE上だけでなく、ウェブサイト上でもできるようになる?よくわかりません。
- Multi Bot in a Chat - 現状は、1つのトークルーム内にBOTは一つだけしか存在できない(2つ目を登録すると、1つ目が退出していく)のですが、この制限を撤廃するってことのようです。
- Clova SDK - Clovaのセッションで出てきたCIC、CEKのことかと思います。
- Bot/Clova Integration - BOT内でClovaの機能を使える?よくわかりません。
- IoT Platform - その名の通り。
- In-App Web Framework - BOTは基本的に会話なので、それだけでは表現力が足りず、またセキュアなやり取りをしにくいってことがあります。リッチなことをしたくなった場合に、ウェブサイトをLINE内で表示してBOTと連携するって感じのフレームワークだと思います。
- CRM API for LINE@ - その名の通り。
- LINE Pay API - 登録されたマーチャントはLINE PayのAPIを当然今も使えるわけですが、これを広く公開するってことかと想像します。
・・・って感じかと思います。
僕はGoogle Developers Expert(旧Google API Expert)なのですが、これと同じようなプログラムをLINEも開始するようです。LINEの各種APIを使ったイベントなりを開催する際にLINE社に認識される状態で開催すると、トラッキングしてくれるっぽいですね。一体誰が認定されるのでしょうか?
Keynoteは大体以上の内容で終わりました。
Clova Session
次に、橋本さんによるClovaの紹介セッションが始まりました。Clovaの生い立ちから、Clovaとは何か?という紹介がされていましたが、個人的に気になっていたのは、Clovaの技術的な情報です。
今回の技術情報の発表で最も重要なスライドは上記かなと思います。特に以下の2つのコンポーネントが重要です。
- CIC(Clova Interface Connect) - Google Homeで言うところのAssiatant SDK。
- CEK(Clova Extension Kit) - Google Homeで言うところのActions SDK。
つまり、CICを使うことで、例えばサードパーティがWaveとは別のClovaに対応した独自スマートスピーカーを作ることができるということでしょう。そして、CEKを使うことで、Clovaに独自のSkillを提供することができるようになるということですね。これらは、2018年中に登場するそうですので、楽しみに待つことにしましょう。
日本のClova開発チームのメンバー達の写真が紹介されました。皆さん笑顔が素敵ですし、本当に優秀でしかも気さくな方々です。
Clovaの今後がますます楽しみに思えたLINE Developer Day 2017でした。