Actions on Googleの統計情報をBigQueryにエクスポートする方法
Actions on Googleを使って、Googleアシスタント向けに開発者は機能拡張を行うことができます。その代表格が、会話型のアクションです。
- オッケーグーグル、○○につないで。
- はい、こちらは○○です。こんにちは、○○です。△△を教えてください。
- ✕✕です。
- ✕✕の□□は、☆☆です。また会いましょう。
的な感じで動的に会話を組み立てていくことができます。
GUIであれば、「どのボタンがいつどれだけ押されたか?」といった統計情報に基づいて、UIの改善を行うと思います。では、VUI(Voice User Interface)ではどうかというと、「いつどれだけ会話が行われたのか?」という統計情報に基づいて改善を行います。会話が何回行われたのか、1回の会話で何回メッセージがやり取りされたのか、こういった情報を分析していくわけです。
GCP(Google Cloud Platform)で「分析」といえば、やはりBigQueryですよね。現在Actions on Googleでは、行われた会話に関する統計データをBigQueryにエクスポートする機能があります。
BigQueryへの統計データのエクスポート方法
では、エクスポートするための手順です。
統計情報が蓄積されるまで待つ
まず行うべきことは、「待つ」ことです。「は?」とお思いかもしれませんが、BigQueryにエクスポートする機能は、ある程度アクティブなアクションに限定されています。そのため、ユーザからほとんど呼び出されていないアクションでは、この機能を利用することができません。
ユーザから呼び出してもらえるように、アクションを改善して、統計情報が蓄積されるまで待ちましょう。とはいえ、呼び出し回数が二桁もいけば、おそらくエクスポート機能を使えるようになるかと思います。
Actions Consoleでエクスポート機能を呼び出す
Actions Consoleにて、エクスポートしたいプロジェクトを選択します。その後、 画面上部の Analytics メニューを選択して、左側から Export を選択します。
ここで、Get started ボタンが押せなくなっている場合は、統計情報がまだ十分に蓄積されていません。一方、押せる場合は、BigQuery にエクスポートできます。押しましょう。
エクスポート対象の起点の日付を選択する
次に、エクスポートしたい統計データの起点となる日付を選択します。分析したい期間を考慮して、適切な日付を選択してください。
特に昔の統計が必要でなければ、Yesterday を選択すれば良いでしょう。一方、もしかなり長くアクションを運用している場合は、エクスポートできる統計データの範囲は1年以内のものに限られるようです。
選択後、Export を押します。
エクスポートが開始される
上記の操作により、自動的にActions on Googleが持っている統計データが、BigQueryにエクスポートされます。画面も、以下のように切り替わります。
統計データの大きさによっては、かなり時間がかかります。BigQueryに統計データが無事エクスポートできた後は、Successful の数字が増えます。
BigQueryにて統計データを閲覧する
エクスポートされた統計データをBigQueryで見てみます。先程の画面の右上にある Go to BigQuery ボタンを押します。Google Cloud Platform Console がブラウザの別タブが開いて、自動的にBigQueryのページが表示されます。
Actions on Googleが統計データをエクスポートしたことにより、BigQueryに actions_analytics という名前のデータセットが作成されます。その中に、統計データが格納されるテーブルが日ごとに作成されます。具体的には、以下の2つのテーブルです。
- conversational_conversation_stats_daily_YYYYMMDD - 会話数、メッセージ数、会話の長さ。
- conversational_user_stats_daily_YYYYMMDD - ユーザのデバイス、アクション種別、言語、地域。
1つ目の conversational_conversation_stats_daily_YYYYMMDD の中にある統計データを見ることで、会話がどれだけ行われたのかがわかります。
2つ目の conversational_user_stats_daily_YYYYMMDD を見ていくことで、どのようなユーザに利用されたのかがわかります。
毎日新しいテーブルが追加され、その日の統計データがエクスポートされます。もちろんActions on Google Consoleで提供される統計ページを見ても良いですし、BigQueryにエクスポートされたデータを二次加工して独自のビューを作ったりすることも良いでしょう。
まとめ
VUI の改善は、提供しているアクションとユーザが一体どのような会話を行っているか、その実際を知ることに尽きます。BigQueryにエクスポートされた情報をぜひ活用して、よりよい会話体験を提供してください。