Lunakey Miniのキーキャップの色には意味があった
左右分割型で40%キーボードのLunakey Miniを毎日使って、仕事や趣味プログラミングを楽しんでいます。昨年までタッチタイピングが全くできなかった僕にとって、今では以下のような「無刻印でキーキャップが全部黒」というLunakey Miniでも何の問題もなく使いこなすことができていて、人間やる気になれば何でもできるんだな、と痛感しました。
小学4年生の頃にパソコンに初めて触れてから実に35年以上「ホームポジションってなにそれ?」って感じでした。それでもキータイピング速度は速いつもりでしたが、まあ、やっと人並みにキーボードを扱えるようになり、毎日触っていて僕には絶対に欠かせない仕事道具であるキーボードをより活かせるようになってきたかな、という現状です。
あ、Lunakey Mini、自分で言うのもなんですが、本当に使いやすいキーボードに仕上がっていると思います。使いこなすまでに僕は1ヶ月くらいはかかったのですが、訓練中には「打てる、打てるぞ!」と自分の指の成長が実感できましたし、どんどんと作業効率が向上していって、従来のレベルに戻っていく、そしてそれを超えていく過程を、本当に体感することができます。目に見えて自分が成長していくことを手軽に体感できる機会ってそうそうないと思いますので、騙されたと思ってチャレンジしてみてください。
Lunakey mini rev5 (ベースキット) - Kochi Keyboard
さて、最近以下のような質問をいただきました。
Lunakey Miniのキーがカラフルだなと思っていつも拝見しています。無刻印のキーを使うにあたって、色の配置はキー配列と関係があったりするのでしょうか? 興味があるので、よかったらどうやって配色を決めたか教えていただけると嬉しいです。
— 千葉千夏(あず)@仙台のTRPGイベンター (@azulee) April 1, 2021
おそらく皆さんがLunakey Miniと聞いて連想する写真が、以下のような、DSAプロファイルのキーキャップで無刻印、いろいろな色を組み合わせた状態のLunakey Miniだと思います。
たぶん緑色の部分が「あ、ここ、カーソルキーなのか?」と思った方がいらっしゃったかもしれません。
今やこの色の違いはタイピングに関しては全く意味がない(手元を見ることが一切なくなった)のですが、タッチタイピングの練習を始めたときには、ちゃんと意味がありました。
現在、Lunakey Miniを使っているときのキーマップは、以下のPDFとなります。
Lunakey Miniで使ってるキーマップ(Linux向け)
アルファベットや数字については、それほど苦労することなく指が配置を覚えてくれました。
これで日本語と英語のタイピングについては大丈夫になったのですが、その後最も苦労したのは、「記号の入力」でした。僕が採用しているキーマップにて、記号は完全に「変態だよね」と言える独自配置(実際には Corne(crkbd)で使う42キーのキーマップを作ってみた - yfuku docs がベースになっています)なので、30年以上培ってきた「慣れ」を完全に捨ててゼロから新しい配列に慣れていかなければなりませんでした。
具体的には、記号は現在以下のような配列にしています。
一般的な記号配置とは完全にかけ離れていることがわかると思います。また、カーソルキーなど、カーソルの移動に関するキーは右手に集中させています。
なんとなく僕が言いたいことがわかってきたかと思います。Lunakey Miniのキーキャップがカラフルなのは、趣味でランダムに配置したのではなく、「記号やカーソルキー、各種修飾キー(ShiftやCtrl、ESCなど)の配置を覚えるために色分けした」結果だったのです。
では、上記のキーマップに、Lunakey Miniでキーキャップに色をつけている箇所に合わせて、色を塗ってみます。
これらを重ね合わせると、以下のようなキーキャップのカラーリングになった、ということになります。
具体的には、
- 赤 - ESCやBSなど、何かを無効にしたり削除したりする「危険」なキー。
- 黄や紫 - 記号のキー。
- 緑 - カーソルキーと、正規表現で「行頭」と「行末」の記号のキー。
- 青 - 括弧の記号のキー。
- ピング - Shift キー。
という色の使い分けとなります。
30年以上、タッチタイピングができなかった僕は、キーボードを見ながら打鍵する癖がついていました。もちろんいつまでも見ていてはタッチタイピングを習得するのは無理ですので、できるだけ見ないようにして訓練しないといけません。しかし、いきなり見ないのも、まったく打鍵できずにミスばかりで仕事になりませんでした。そこで考えたのが、せめて記号など難易度が高かった入力については、どこに記号があるのか目で見てわかるようにしておこう、そして間違えやすい記号については色を変えておこう、という戦略でした。
これは見事に成功し、徐々に手元を見ないようになっていき、今では全く見ることはなくなりました。そして、キーキャップの色は「偶然にも結構キレイで可愛く仕上がっていた」ので、そのままLunakey Miniのイメージとして採用しちゃおう、ということで現在に至ります。
というわけで、Lunakey Miniのキーキャップの色には意味があった、というお話でした。