システム開発の責任感

顧客のシステム開発を行うこととは,どういうことなのだろうか?

ADSLも飽和状態となりかけている今日では,昔とは比べ物にならないほど,インターネットの世界は一般に浸透している。インターネットの世界「だけ」でも,立派に市場が成り立つようになった。店舗や何らかの媒体,そして人間を使わなくても,インターネットというバーチャルな世界を使えば,そこで商売ができる。

当然,インターネットユーザ「のみ」をターゲットとした商売を始める企業も増えてきた。インターネット上に何らかのシステムを配置し,そのシステムをユーザに使ってもらうことで,サービスを展開する。システムは24時間365日稼動は当たり前だ。1秒のダウンも許されない。

つまり,インターネットユーザ「のみ」をターゲットとした商売を始める企業は,サービスを提供するシステムがコケたら「終わり」なのだ。システムダウン=商品なし,なんだから。人間は(こういう言い方したくないが)いくらでも代わりは見つかる。でも,システムに関しては人間が代わりを行うことはできない。何千何万もの同時アクセスに対して,人間がいちいちその場でHTML作って返せるか?そんなことできっこない。

そう考えると,企業のシステム構築という仕事は,ものすごい「怖い仕事」だ。一般に公開されるシステムのほとんどは「プロジェクトX」に取り上げられてもいいくらいの過程がある。決して一人では実現できない仕事であることも言えるだろう。「失敗しちゃいました♪ITなんてそんなもんです♪えへっ」では,済まされない。

プロジェクトマネージャは「このシステムが完成されなかったら,顧客は即潰れる」と思って欲しい。チームリーダーは「このシステムが完成されなかったら,顧客の情シス担当者は立場を失う」と思って欲しい。プログラマに関しては「バグを一つ出すたびに,顧客の社員が一人職を失う」と思って欲しい。言い過ぎかもしれないけど,それくらい神聖で責任のある仕事を自分たちはしているのだ。

一緒に仕事をしてきた知り合いによって,僕は現在の仕事への「不安」を,いい意味で持つようになっている。これからは,僕が周りの人々へその不安を「伝播」させる必要があると思う。

いい緊張で仕事をしていきたい。過敏性大腸炎にならないくらいのスレスレラインで。。。

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