「それもいいねぇ♪」by Vodafone

最近流れているVodafoneのCMから:   「それもいいねぇ♪」 かなりこれっていい言葉である。携帯で話している二人は,きっとそれぞれの希望を言っているんだろう。しかし,相手の希望に対して「私の希望もあるけど,あなたの希望も激しく同意」って心底思っての「それもいいねぇ」なんだと思う。とても「それはいやだなぁ」なんて雰囲気は,CMからは感じられない。かなりのポジティブ会話のように見える。 仕事でもプライベートでも,誰かの考えを否定する,あるいは問題視しなければ済まないという人間が,身近に必ず一人はいるものだ。問題提起をすることが「俺は考えているんだ」「俺は状況を良くしたいんだ」の表現だと思っている結果の行動なんだろう。昔の自分もそうだった気がする。完全な自分中心の尺度,すなわち自分の考えと違うと思ったら,すぐに「それは問題がある」と指摘して回ったことが,記憶に多々ある。 何事も問題にすることは非常に簡単。 しかし,本来の問題提起は,それを解決するための手段や方法を同時に提示し,「それもいいけど,これもいいんじゃない?」というものだと,30歳を超えて思うようになった。さらに,他人にそうやって言われた場合は,自分の意見との違いを分析し,まずは言われた代替案のどこが良いのかを探すことが大事なんだと思う。その結果,口から出てくる言葉はきっと,「それもいいねぇ♪」になる。 お互いの主張に含まれる利点をお互いに議論し比較することは,否定し合うことよりも非常にポジティブだし,そもそも気持ちがよい。相手の意見もより深く聞きたくなるし,自分の意見も冷静に判断できるようになり,極端な言い方をすると,自分の意見に対して妥協がしやすくなる。感情的な議論に発展することも,自然と少なくなる気がする。 何でもそうだと思うけど,例えば,ただでさえ選択肢が多岐にわたり正解を出すことが難しいソフトウェア開発のプロジェクトの中で,メンバ間で「それもいいねぇ♪」なんて言葉が飛び交いだしたら,そのプロジェクトは成功を収めるだろう。

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