naclportsがwebportsに移行してました

Native Client Library(略してNaCl)で何かモジュールを作りたい時、世の中に既にある何らかのライブラリを使いたくなることが結構あります。というか、何も使わずにコーディングすることは事実上不可能でしょう。ただし、NaClというちょっと特殊な環境でもライブラリを使えるようにするのは、結構テクニックが必要になります。というか、たぶんコードを修正することになります。つまり、パッチを当てないといけないです。

NaClとして利用可能に修正済みなライブラリが数多く登録されていたnaclportsですが、いつの間にかwebportsという別のリポジトリに移行していました。今までnaclportsを使ってきた人は、以下のコマンドでwebportsに変更可能です。

$ git remote set-url origin https://chromium.googlesource.com/webports/

そして、利用方法も変わった模様です。今までは、使いたいライブラリをビルドしてNaCl SDKのToolChainにインストールする方法として、

$ cd $NACLPORTS_HOME
$ ./make_all.sh libssh2

だったのですが、新しくwebportsというコマンドが追加されていて、今後は、

$ cd $WEBPORTS_HOME
$ ./bin/webports install libssh2

という叩き方をすることが、README.mdファイルに書いてありました。ただ、相変わらずmake_all.shファイルは存在するし、README.mdファイルの後半ではmake_all.shファイルを使ってビルド手順が説明されているので、今までと変えずに大丈夫な気もします。

「なぜここにきてnaclportsって名前からwebportsに変えたんだ?」と不思議に思うかもしれません。どうやらpepper_49からEmscripten SupportのEarly Alphaが含まれるようになったために、NaClって特定の技術を示すよりも、広くWeb向けって言いたくなった、ということなんじゃないかと思います。

NaClモジュールを作ってきた、あるいは今作ってる、今後作りたい!、と思っている方は、webportsの方をお使いください。

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