Ender-3 V2のチューブを切ってみました

キーボードケースを作りたくて4月に購入した Ender-3 V2 ですが、最近かなり調子が悪くなってきました。今まで出来てたことが出来ない!ことごとく出力に失敗します。どのように失敗するかと言うと…

「途中でフィラメントが一切出なくなる!」

という現象です。以前は「数時間後に出なくなるときがある」という状況だったのですが、それが徐々に悪化していき、遂に「1層目の途中でほぼ100%出なくなる」というひどい状況になってしまいました。

出なくなってしまうと、何も出ないノズルが宙を舞うだけです。ただの電気の無駄遣いです。

このエントリでは、そんな状況になってしまったときに僕がどう対処したか、を書こうと思っていますが、残念ながら現在解決に至っていません。

針金使って詰まりを解消

Ender-3 V2 には、細い針金が付属してきます。ノズルの温度を230度くらいにして、ノズルの先端からその針金を差し込んで、前後に動かします。フィラメントが入っている状態だと奥まで差し込めませんが、フィラメントを抜いた状態では、奥まで差し込めます。フィラメントを抜いた状態で数回出し入れしてみました。

結果は… 特に効果があった気はしませんでした。

ノズルを交換

実は BL Touch というレベリングを9点で自動測定&調整してくれるという装置を取り付けているのですが、先日この BL Touch が誤検知(というかベッドの検出に失敗)してしまい、Z軸の測定に失敗しました。その結果、モーターが止まらずに「ひたすらノズルを下げようと動き続ける」状態になってしまい、結果ノズルがガラスのベッドに突き刺さり続けました。ベッドに穴ができてしまうほどで、ノズルも「あ、曲がったかな?」と思うほどでした。

その事故以降に不調になったかどうかは正直わかりませんが、事故を経験したノズルであることには変わりがありません。そこで、Ender-3 V2 に付属していた予備のノズルに変更してみました。

ノズルを熱しないと冷えたフィラメントがくっついていて外せないので、一度230度くらいに熱します。その状態で、付属してきたレンチを使って、ノズルを回すと外すことができました。

触ったら火傷決定なので、注意して外します。そして、熱いまま、新しいノズルを取り付けました。

さあ、これでノズルの詰まりは解消されたはず!快適に出力できるだろう!と思って試してみましたが、結果はNG。相変わらずフィラメントは途中で出てこなくなります。

チューブを疑う

ノズルでなければ、次に疑うべきは、チューブです。フィラメントをノズルに送っているチューブの先端で、何かが起きているのかもしれません。もしチューブの先端が詰まっていた場合は、詰まっている部分を切ってしまって、問題がない状態にして戻せば、きっと復活してくれるに違いありません。

カバーを外して、ホットエンドが見えるようにします。で、チューブが刺さっている箇所にある青い部品を外します。その青い部品の厚み分だけ白い上部の丸い板を押し込むことができるはずで、押し込むと内部のツメが緩み、チューブが抜けるはずです。

が、抜けない。結構強い力で抜こうとしましたが、チューブが抜ける気配がありません。

本来であれば、ノズルを熱しておけば、チューブは抜けたと思います。が、この時点でその考えはなく、「きっと継手が悪い!」と思い込んでいました。

チューブと継手の部品が癒着でもしたのかな、という勝手な想像に基づいて、Ender-3 V2 に付属されたレンチを使って、継手を回そうとしました。これは常温でもちょっと力を加えたら、回りました。

回しきったところで、白い円盤の部分を押してみたら、なんとチューブをスムーズに継手が上下にスライドしました。

というわけで、継手については問題なさそうです。継手をフリーにしたところで、チューブをホットエンドから引き抜こうとしましたが、抜けません。

ここで、ホットエンドを熱することをやっと思いつきます。この状態で、230度まで上げました。すると、ニュルっという感触と共に、チューブが抜けました。

うわ、先端が真っ黒です。そして、1cm くらいチューブの中も黒くなってます。見るからに「詰まってます」っていう感じです。

まず、黒くなっている部分のチューブを切り落とします。長さ的には、1cm くらいですね。これは、付属のニッパーで切り落としました。

波平さんのようです。

ここで、切った断面を簡単に丸く整えて、フィラメントをチューブに差し込んでみたのですが、おそらく継手がついていたであろう位置付近で、フィラメントが引っかかる感触がありました。その引っかかり具合は、ちょっと力を込めないとフィラメントが動かないくらい、ちょっと強めの引っかかりでした。これもフィラメントが出てくれない原因かもなぁ、と思って、思い切ってチューブを継手がついていたであろう長さくらいまで、切ることにしました。

結果的には、上記の写真くらい切り落としました。この時は、ニッパーは使わず、付属してきた六角レンチをチューブに差し込んだ状態で、カッターを使って切断面が潰れないようにして切りました。

あとはチューブをホットエンドに差し込んで、継手をレンチで締め、カバーを戻して、作業は完了です。

まとめ

ここまでで、以下の経験値を得ることができました。

  • ノズルの交換方法
  • 詰まったチューブを切って元に戻す方法

特にチューブまわりの話は、 3Dプリンタ Discordサーバ にて結構相談させていただいて、やり遂げることができました。

冒頭で書いたとおり、上記だけでは解決に至りませんでした。個人的に心当たりがある点と、Discordサーバにて助言を得た点として、以下があります。

  • 高価な別の3Dプリンタに買い替えてもトラブルは起きる、という話なので、Ender-3 V2 でもっと経験値を積むことにする。
  • チューブをホットエンドに挿す際にホットエンドを熱していない状態で挿しただけなので、ちゃんと熱してから挿してみる。
  • 印刷が遅すぎてフィラメントが溶けすぎて詰まるケースがあるので、印刷速度を 10 mm/s ほど上げてみると良いかも。
  • ホットエンドの温度を 200 度から 210 度に上げてしまっていたので、戻す。
  • コールドプルしてノズル周りをキレイにする。

コールドプルはやってみたいと思っていたけど、やり方がはっきりわからずに今まで躊躇していました。これを機にやってみようと思っています。

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