Googleデベロッパー交流会第6回Android SDKに参加してきました

昨日の4/24、六本木ヒルズにて行われた「 Googleデベロッパー交流会 第6回 Android SDK」に参加してきた。前回の 第5回でパネリストとして参加し、今回は2回目となる。お題はAndroid SDKということで、OpenSocialに引き続き、Googleによるプラットフォームの紹介である。 OpenSocialの時もそうだったけど、今回もパネリスト全員が何らかのデモアプリを作って発表を行っていた。Androidでどこまでできるんだろう、という疑問を持っていたので、非常に参考になった。以下に、それぞれの内容と僕の印象を紹介しておこう。 — [英単語帳] ネット上にある辞書サービスを使って英単語の意味を引ける、いわば「単語帳」。サンプルのノートパッドを基本にして開発を進めたらしい。作者曰く、Androidのフレームワークが簡潔なので非常に生産性が高い、らしい。単にネットを叩いているだけでなく、面白いのはSQLiteを使って、一度引いた単語はオフラインでも閲覧可能としているところ。なるほど。 [IME] いわゆるIMEをアプリとして開発したデモ。Google Suggest APIを使っていた。日本語のフォントが既にプラットフォーム(エミュレータ?)に入っているので、表示には問題はない。このデモは、1アプリケーションとして作られたものなので汎用性という面では欠けるが、IMEを開発するチームは既に発足していて、開発が進められているらしい。 [Twitterちっくなアプリ] WebViewでBBSを、MapViewで地図を表示し、BBSに投稿された記事に含まれる位置情報から、その発言内容を地図上で表示する、というもの。WebViewやMapViewなど、Androidが提供してくれるクラスライブラリを使うことで、このようなアプリは比較的短時間で実現可能らしい。BBSは、Docomo携帯端末でも動作していて、その投稿がAndroidアプリのMapView上にレンダリングされる、という連携も見せてくれた。 [シューティングゲーム?] OpenGLをガンガンに使ってるであろう横方向のシューティングゲーム。既にグラフィック関連のコードセットを持っていて、それを元にAndriod用に移植したアプリらしい。移植作業が3日間、というのが驚異的。Docomo用のアプリコードは、Docomo専用ライブラリにロックされるために、それよりはSoftbank系、つまりMIDPからAndriodへの移植がやりやすいだろう、ということだった。あと、Eclipseに慣れているかどうかが、Android開発のポイントらしい。エミュレータの性能が低いことに、作者は嘆いていた。 [ZaurusにAndroidを移植] Zaurus上でAndroid実行環境を作り、PC上のエミュレータとZaurus間でSIPによる通信でチャットができるデモ。インターネット環境ではないネットワークの可能性をAndroid上で実現している。 [仮想空間ゲーム?] アバターを操って、3Dの仮想空間でコミュニケーションなどを行えるゲームのデモ。Androidのロゴのアバターは、BOTを作って自動的に操作しているらしい。3Dなのは地形部分のみ。さすがOpenGLというか、360度回転などがスムーズに行われていた。さらに、映画館に行くことによって、動画も再生可能。とにかく商用レベルの出来で、すばらしい。Androidへの移植に関しては、速度を出すのに苦労したとか。 — 僕の感想としては、既存の携帯端末との連携か、3Dまわりを特徴としていたデモが多かった。名刺交換させていただいた方々にも、ゲーム業界な方が多かった。マルチメディアに強そうな印象を持ったのだが、それだけのハードが必要になるはずなので、現状の携帯端末がそれについてきているのだろうか、という疑問がある。ま、僕が知らないだけで、最新の携帯端末ならかなりのスペックなんだろう、と思うけど。 エミュレータの性能が悪いというのは、どうも共通認識らしい。なぜ重いのか、それはエミュレータがQEMUの上でLinuxを動かしてるから、ということだった。ちょっとびっくりな構成。なるほど、それは遅いはずである。改善するにしても、その仕組みだと限界があるだろう。スペックの高い開発マシンが求められる。 百聞は一見に如かず、やっぱり動いているものを見ることが、新しいものを理解する近道だ。今回のデベロッパー交流会も非常に楽しく、収穫が多かった。Googleの皆さん、パネリストの方々、ありがとうございました!

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来る6月10日に、パシフィコ横浜にて「 Google Developer Day 2008 Japan」が行われる。もちろん今回のAndroidに関するセッションもあり、その内容はかなり実践的なものになると予想される。その他Googleが提供するAPIが数多く解説されるので、デベロッパーとしては外すことができないイベントになるだろう。今のうちからぜひ 登録し、いろいろと予習をしてみてはいかがだろうか?

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