「ソーシャルアプリプラットフォーム構築技法」という本を出版しました
技術評論社より、10月20日から「ソーシャルアプリプラットフォーム構築技法」という書籍が出版されます。2016年の春から書き始めていたので、1年半以上かかってしまいましたが、何とか出版というゴールを迎えることができました。題名の通り、ソーシャルアプリプラットフォームを作るための様々なことについて書かれています。この本を通じて伝えたかったこと、それは「プラットフォームを構築することこそが、インターネットの進化であり、ビジネスそのものである」ってことです。
取り上げている範囲としては、「プラットフォームとは何だろう?」ということから、APIや機能の「廃止」まで、つまり思い立ってから破棄されるまで、プラットフォームのライフサイクルを一通り網羅してみました。「ソーシャルアプリ」と付いていますが、あるサービスがあって、それが持つコンテンツや機能をプラットフォーム化するには?という観点で執筆しましたので、幅広く適用可能な内容になっていると思います。加えて、近年急速に立ち上がりつつあるBOTプラットフォームについても、最後の章で紹介しています。
全部で6つの章で構成されています。技術評論社の本書紹介ページには、もっと詳しい目次が掲載されています。
- 第1,2章 - ソーシャルアプリプラットフォームの企画
- 第3,4章 - ソーシャルアプリプラットフォームの開発
- 第5章 - ソーシャルアプリプラットフォームの運用
- 第6章 - BOTプラットフォームとAIの利用
プラットフォームの構築や運用について、僕は技術的にリードしていく立場で関わってきました。その立場からの視点で、プラットフォーム構築のイロハを書いています。だからといって、完全に開発者向けの本かというと決してそうではなく、できるだけ幅広い人達が把握できるように書いたつもりです。そのため、プログラムコードの掲載も少なくし、「プラットフォームの中で何が行われているのか?」を説明することに徹しました。また、本書の前半は「プラットフォームに基づいてどのようなエコシステムを作るのか?」といったビジネスや企画面の内容にしていますので、ソフトウェアエンジニアでなくとも是非読んでいただきたいと考えています。
僕の30歳代は、ソーシャルアプリプラットフォーム構築に捧げた感があります。もちろん、20歳代で培った様々な経験を30歳代で活かしてきたつもりです。そして、プラットフォーム自体の開発に関わった人はそう多くないでしょうし、プラットフォームを作る舞台裏ではどんなことを考え、どんなことが求められるのか、今までなかなか語られることは少なかったと思います。僕の自叙伝ってわけではないですが、40歳代に突入した記念(?)って感じで、筆を執ってみようと思って書いた次第です。
その辺のことは「はじめに」にまとめています。技術評論社の本書の紹介ページにて、「はじめに」の部分はPDFが公開されていましたので、ぜひお読みください。
多くの場合、企画から開発までが紹介されていると思いますが、運用に関してもプラットフォームの構築の中で大きなウェイトを占めますので、1章分の量を運用についての話に費やしています。特に、インシデントの発生時についての対応方法などは、なかなか取り上げている書籍はないと思いますので、個人的には注目して欲しい内容です。
何はともあれ、プラットフォーム、API、認証、認可、OAuth、OpenID Connect、エコシステム、SDK、スマートフォン、メッセージングアプリ、BOT、AI、といったキーワードに少しでも興味がある人は、ぜひ読んでいただければと思います。
多くの方々から感想を聞けることを楽しみにしています。いや、ドキドキの方が大きいかな。。。