超基本構成

Written on Dec 4, 2005. Posted in Wicket

さて，最初のWicketアプリケーションを作成してみる。最初なので，１ページのみの超基本構成のWebアプリケーションにしよう。表示のみの機能だが，動的な項目を一つ準備する。WTPでwicket-testプロジェクトをまだ作っていない方は，「開発の準備をしよう」を読んで作成して欲しい。

まずは，POHPなHTMLファイルを作成する。名前は「FirstPage.html」とし，作成先は「wicket-test/JavaSource/test」とする。つまり，testパッケージを作成して，その中に配置するということである。

　　　　　　

　　　　 First Page 　　　　　　　　

名前　　　　　　　　

wicket:id=”name”>ここに名前が入る　　　　　　　　　　　　

太字にした「wicket:id」属性がポイントである。この属性で指定した要素のBody部分が，動的コンテンツとして置換の対象となる。もちろんこの属性はWebブラウザは無視するので，以下のように単なるHTMLとして表示される。

Wicketでは，POHP１つに対して，WebPageクラスを継承したクラスを一つ準備するのが基本である。下記のように「test.FirstPage」クラスを作成する。

package test; import wicket.markup.html.WebPage; import wicket.markup.html.basic.Label;

public class FirstPage extends WebPage { 　　public FirstPage() { 　　　　 add(new Label(“name”, “よういちろう”)); 　　} }

コンストラクタ内で，Labelオブジェクトを生成して，addメソッドに渡して登録を行っている。Labelクラスのコンストラクタには，POHPファイル内のwicket:id属性の値と，置換後の文字列を引数として指定する。コードだけ見たら，まるでGUIアプリケーションのコードである。LabelオブジェクトがWicketにより処理され，POHPファイルのwicket:id属性で指定された部分が置換処理される。

POHPファイルとWebPageクラスが準備できたが，WicketではWebアプリケーションを管理するためのクラスとして，WebApplicationクラスのサブクラスを作成する必要がある。

package test; import wicket.ApplicationPages; import wicket.protocol.http.WebApplication;

public class FirstApplication extends WebApplication { 　　public FirstApplication() { 　　　　ApplicationPages pages = getPages(); 　　　　pages. setHomePage(FirstPage.class); 　　} }

コンストラクタ内で，getPagesメソッドによりApplicationPagesオブジェクトを取得し，そのsetHomePageメソッドに先ほどのFirstPageクラスのクラスオブジェクトを渡して，このWebアプリケーションのトップページを指定している。

あとは，web.xmlファイルを作成すれば，Wicketアプリケーションの完成だ。web.xmlファイルでは，サーブレットの登録を行う。

version=”1.0” encoding=”UTF-8”?

　　 wicket-test 　　　　　　 firstApplication 　　　　 wicket.protocol.http.WicketServlet 　　　　　　　　　　

applicationClassName 　　　　　　

test.FirstApplication 　　　　　　　　　　　　 firstApplication 　　　　 /first/* 　　

サーブレットとして，wicket.protocol.http.WicketServletクラスを指定する。これがWicketアプリケーションのコントローラとなる。これのapplicationClassNameパラメータに，先ほど作成したFirstApplicationクラスを指定する。この指定により，WicketServletオブジェクトはFirstApplicationオブジェクトを利用するようになる。

以上で準備完了である。Tomcatサーバを起動して，「http://localhost:8080/wicket-test/first」にWebブラウザでアクセスしてみよう。